カテゴリ:制作 Philosophie( 9 )

ヒトはなぜ絵を描くのか 中原佑介

c0053351_1263946.jpgヒトはなぜ絵を描くのか 中原佑介
ラスコーやアルタミラ洞窟の絵を歴史的原点として、『ヒトはなぜ絵を描くのか?』という根源的な問題を考察している。彫刻家、神経科学、民俗学、、、各界の対談と現代美術評論家としての考察による構成が、謎を解き明かす。しかし、現代の知はこう考えるということであって謎は謎である。
洞窟といっても音響効果の高いところとの音と絵の関連性がある。
なぜまた誰もいかない奥深くの光の届かない暗闇に描いたのだろうか?
その絵は機能性があったのか?なぜ動物は横向きなのか?美の発生を見る。
絵と言っても、刻線もあり壁、岩の向こうへの関心ごととしても読み取れる。
絵は見せるために描かれているのではない。当時のヒトは、何を意識化していたのか?目的は?
描く本能はどこから来るのか?
落書き現代アートで言えばグラフィティーが人類最初の絵だ。
絵は、生きるための最尖端の武器である。
ならばヒトは洞窟の奥に何を見たのか?現代人がロケットで宇宙の闇に人型を載せたプレートをロケットに積むように、創造主、神へのコミュニケーションか?

没後10年過ぎた中原佑介の物理学者出身の現代美術評論家の思考は、本質的で興味深い。
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by pitchounet | 2013-01-19 12:09 | 制作 Philosophie

美を求める心  小林秀雄

c0053351_17265644.jpg小林秀雄の昭和29-32年の美に関する発言。態度、接し方。人のあり方へ。
何回も読んだな。。。

小林秀雄の主張はこうだ。
わかろうとすることが間違っている。
目を慣らすことだ。昨今のピカソなどの抽象性について。
頭を動かすより目を鍛えること。
目を働かすということがいかに日常に少ないか?ダンヒルのライターのデザインに感心する人はいない。
普段の椅子に目を凝らす人はいない。
言葉にも意味以外に形があることを力説。
美しいものは、諸君を黙らせる。沈黙させる力がある。
美を感じる力は、養い育てなければ衰弱していく。ということを知らない人は多い。
知識は、細部に分けてしまう。美は全体を把握すること。
感ずることは易しいことと片付けてしまう現代人。
優しい感情を持ていない人は立派な人間とは言われまい。
優れた芸術家は、大人になっても子供心は失っていないものだ。
『諸君、、、?』という言い回しが小林独特で心地よい。。
梅原竜三郎との対談を含む。
偉大な文人だ。

情報あまりの知識過剰の時代。
世界を理屈で分かろうとする人に一度は読んで損はない文だ。
世界はわけてもわからないのだ。特に美は。心は。
感じるのみ。
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by pitchounet | 2013-01-17 17:29 | 制作 Philosophie

バルテュス,自信を語る   バルテュス

c0053351_1251783.jpgこの本は描くことを語っている。
絵を描くとは、土木作業のようなものだ。農夫と同じ。肉体的労働が必要。と言っている。
だから観念を嫌う。抽象を嫌う。
ローマカトリック教徒ではあるが宗教画家じゃない。
目の前の少女の美しさを描く。インテリのとりつくりかたを嫌う。
現代美術に対して視点はこうだ。
例えば、彼の友人、モンドリアンは木を自然を美しく描いていたが、
抽象に走ったことを残念がっている。ジャコメッティ、モンドリアンと夕日、黄昏を見ていたら
Mはこんな光は見たくもないとカーテンを引いた。なぜ目の前の黄昏を見ないのか?
抽象は後に厳格主義になるけれど、バルテュスの態度は逆だ、絵の前で瞑想し、沈黙し、神秘的な出会いを求める。
バルテュス現代絵画の主流(抽象表現主義、シュール、、)を嫌う。頭で作り上げることを嫌うのだ。
絵を書く事は、時代や身近な人と協調しないこと。無名でいること。スノッブと敵対すること。。。
単なる造形ではない神秘。少女を描くのはゆくりとした変化(通過)を捉えること。類似だけでなく闇と沈黙にあるものだ。
スイスの山の中の巨大なシャーレーのアトリエで、画布をなぜる筆とストーブの音がキャンバスの前で沈黙の瞑想するような画家の態度が読み取れる。
世の中はあちらこちらで戦略とかコンセプトとか頭の時代が続いている。
20cを生きた人だが、今、バルテュスの態度は大いに共感する。
バルテュスは誤解の多い画家だとも思えた。
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by pitchounet | 2013-01-17 12:08 | 制作 Philosophie

『私のピカソ私のゴッホ』池田満寿夫  役に立つ絵画を考えた。

c0053351_1025181.jpg今から38年前の池田満寿夫のエッセイ。
ゴッホが役に立つ絵画を目指したに違いない。という池田の視点が興味深い。理由は油絵具の使い方を正しく長持ちさせる方法をゴッホが熟練しているからだ。
20cの油絵は、あらゆる実験、時としてアッサンブラージュ、コラージュ、、、あらゆる手法の実験台になった。
ゴッホは画を売ろうとした。売れなかった。だけど、売るためには役に立つ絵画を考えた。今で言えばデザインのようなスタンスだ。足のピッタリする靴は日常を快適にする。ゴッホは絵を部屋にかけて空間を快適にすることを考えた。ゴッホには名声は必要なかった。ただ快適な絵画空間を作ることだった。そして『1980年現れた人の中では、一番画家らしかった。特別な愛情をもって油彩の材料をいじくるのが何よりも喜びだった。』画とは素材との交わりであり、単に視覚効果、イリュージョンでないことの喜びの本質が見える。
また、長野県の情報のない時代にかすれたわずかの図版からピカソなどのイメージも作家の中で熟成される話もおもしろい。情報はあればいいってもんじゃない。
絵は絵だという自覚は今の時代、なぜか新鮮だ。
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by pitchounet | 2013-01-14 10:43 | 制作 Philosophie

ジャコメッティ 矢内原

c0053351_20345785.jpgジャコメッティ
矢内原、妻アネットとジャコメッティの対話が面白い。
ジャコメッティは洗濯機が嫌いだ。
便利が嫌いだ。そこで妻が反論する。便利な方が良いと。
進歩しても暇は生まれない。昔は良かったと。
また、彼は夜行性だ。暗くても描く。夜中描く。
ポケットにはいつもタクシー代を持っている。
NYまで船で行く。。飛行機は嫌いだ。
ピカソの作品をポスターだ。と言う。
それは、オブジェともいう。オブジェは行きづまる。
だから作品のスタイルを変えざるえないと言う。
ジャコメッティの絵画は、彫刻同様。
筆は細くナイフのようだ。
ある日、筆が悪く描けないと言うと。
矢内原は『弘法、筆を選ばず。』という言葉があるとジャコメッティに向かう。
それはそうだと納得。
エジプト美術、ティントレットを尊敬する。
20cの天才の制作に対する態度がよくわかる。
見えるよに描くひと。
サンサシオンの人。
日本人がモデルで彼のことがよくわかる。
私が生まれたコロジャコメッティは死んじゃった。。。  画壇も何も知らない婆さんのような画を描きたいと。。。 最高の美術とは何か?考えさせられる。
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by pitchounet | 2013-01-09 20:41 | 制作 Philosophie

舟越保武 『巨岩と花びら』

c0053351_14311627.jpg舟越保武
『巨岩と花びら』彫刻の作品同様に文章も飾らない静かな文体。
静かな文章からは、ロダンを近代彫刻の尊敬しながらも躍動感、肉感など、どこか日本人には、馴染めない作者の独創的な作品に対する感性が見える。
売れなかったろころ銀座の画廊彫刻を2個背負って買ってもらった話、
芸大の最後の授業の話。
鮎釣りと岩の話。
デフォルメは信じてない。。。
数々の随筆から、作品に望む姿が見える。
言葉から作家ならではの世界に対するなまなましい視点を感じた。
コンセプトではなく石工のような職人技が芸術ということだ。
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by pitchounet | 2012-12-31 15:31 | 制作 Philosophie

絵のある人生  安野光雅

c0053351_2391070.jpg絵とは、、、?迷ったら読むといい本です。
情報あまりの時代。基本に戻れます。
基本。態度。見方。。。様々な方向から絵に対するアプローチが、書かれています。
難しい美術評論とは違った、実践してきた作家ならではの絵画入門書です。
基礎とは、、、絵とは、束縛されない、邪魔されない自由な世界なのだ。
おすすめの一冊。
また、描きたくなります。
いい絵とはなんだろう。
画家達はどう生きたか。。

そもそも画は風景画美しいから描いたとか単純な動機のはずなのにいつからかゲー術の窓からしか語られなくなっちゃてそれは変なことなんだろうな。
自分の外側をよく見て楽しもう。
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by pitchounet | 2012-10-02 23:17 | 制作 Philosophie

養老猛司 「身体論」講演会を聞く  長野市にて

意識は、5~20万年前に出現。
体は、5億年前に出現(背骨が出来た)、細胞は10億年前。
新前の意識が体に何が出来るか!!
マラソンしているが、そもそも酸素は、毒性。
よれよれの人に酸素を与えるから脳死になる。
麻酔でどうして、意識が消えるか?分からない。
そもそもどうして意識が発生したかそもそも分かっていない。
意識とは、点線のように切れるもの。持続しない。寝る。その間にも体は生きている。
体に任せることも重要。
意識は秩序的。ランダムではない。
喋るは意識。でたらめ(無秩序)に喋るは難しい。一度やってみてください。難しいことを実感します。
頭に任せると融通の効かない社会になる。
秩序と無秩序。
部屋を掃除する。→ごみは燃やされco2とH2O→空気の分子が動き→結局は、地球が温暖化する。
掃除するのも考え物。
世界は単調化している。
ちょっと違うと仲間はずれ。会社でも、学校でも。
すべてのことが違っているのが感覚の世界。
何で大切にしないのか?そのことを
動物は一つ一つを見分け、人間は一つにまとめたがる。(長野の人、東京の人、、、)
動物は絶対音感を持ち、人間は育つ過程で失う。
人は、絶対に他人と同じ世界を、風景を見ることは無い。
触りたいものがなくなってきている。コンクリートの壁を触りたいか?金属の手すりを触りたいか?
触れる彫刻もあるが、自分で彫刻すればもっと良いじゃないか。
現代人は、昔の人の言うことが分からなくなってきている。
ラスコーの絵画は宗教的体験。暗闇で絵を描く事は。
世界は、見方が重要。
猫が見ているクリアーな世界。
世界をどう見るか?
昆虫は世界をどう見ているのか?

体は嘘をつかない意識は嘘をつく。
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by pitchounet | 2009-07-03 23:44 | 制作 Philosophie

絵の具の水について

c0053351_21194017.jpg下の絵は近くに、安曇野の湧き水の用水路がありその水を使って描きました。
通常、水道水などで絵の具を溶くのが通常ですが、ライブは、現地の水で描きたくなります。
風土、土地の色が出そうな気分をそそるからでしょうか。
キャンプで薪拾いする感覚に近いです。考えてみれば、現場の土を使って画を描くということも自然な感覚なわけです。陶芸家みたいですね。
「水彩画の特質として水を使う。」やはり絵の具の水にこだわっても面白かもしれません。
もちろん科学的理由ではなく芸術的理由です。
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by pitchounet | 2008-10-15 21:28 | 制作 Philosophie